男性の育休取得率、初の5割超え(50.9%)|厚労省調査で見えた「取る時代」の次の課題

男性の育休取得率、初の5割超え(50.9%)|厚労省調査で見えた「取る時代」の次の課題 仕事・育休

厚生労働省が2026年7月31日に公表した「令和7年度雇用均等基本調査」で、男性の育児休業取得率が50.9%となり、はじめて5割を超えました。前回調査の40.5%から10.4ポイントの上昇です。「パパが育休を取るのは珍しい」という時代から、「半数が取る」時代に入ったことになります。一方で、取得率の数字だけでは見えない課題も残っています。この記事では、調査の中身を正確に整理し、これから育休を考えるパパが押さえておきたいポイントをまとめます。

調査結果のポイント:男性50.9%、女性88.3%

区分 令和7年度調査 前回(令和6年度)
男性の育休取得率 50.9% 40.5%
女性の育休取得率 88.3% 86.6%

この調査は、令和7年10月1日時点の状況を、全国の事業所(常用労働者5人以上)を対象に調べたものです。事業所調査の有効回答は3,291事業所でした。男性の取得率が前回から10ポイント以上も伸びたのは、2022年10月に始まった産後パパ育休(出生時育児休業)や、育休を取りやすくするための企業への働きかけが広がった結果と考えられます。

「50.9%」の数え方を正しく理解する

ニュースでは「男性の半数が育休を取った」と受け取られがちですが、この数字には定義があります。調査では、令和5年10月1日から令和6年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、令和7年10月1日までに育児休業(産後パパ育休を含む)を開始した人、または育休の申し出をしている人の割合を「取得率」としています。つまり「出産した配偶者がいる男性のうち、育休を始めた(申し出た)人の割合」であり、次の点に注意が必要です。

  • 取得した「日数」や「期間」は、この数字には含まれない(数日だけの取得も1人として数える)
  • 調査時点までに育休を開始した人が対象で、出産直後の短期取得が増えるほど取得率は上がりやすい
  • 取得率が5割でも、残りの約5割のパパは取得していない

取得期間の分布は、厚生労働省の結果概要で確認できます。「何日取ったか」まで見て、自分の家庭に必要な期間を考えることが大切です。

育休を取れる職場は増えている:企業側の動き

調査では、事業所の中で「過去1年間に育休を開始した男性がいた」と答えた事業所の割合も上昇し、前回の41.0%から57.1%になったと報告されています(労働政策研究・研修機構による紹介)。企業が行っている取り組み(複数回答)は、次のとおりです。

取り組みの内容 割合
相談窓口の設置など 40.1%
制度や方針の周知 35.1%
取得した社員の事例の収集・共有 16.0%
育休に関する研修の実施 6.9%
いずれも行っていない 36.9%

約4割の事業所が、何も取り組みを行っていないという結果です。つまり、育休を取りやすい職場かどうかは、勤務先によって大きく差があることがうかがえます。「周りが取っていないから言い出しにくい」と感じるパパほど、事例の共有や相談窓口がある職場かどうかを確認してみる価値があります。

これからの課題は「取得率」から「中身」へ

取得率が5割を超えた今、次に問われるのは「どれだけ、どう取るか」です。短期間の取得にとどまると、産後の妻の負担を十分に軽くできないこともあります。パパが育休中に家事・育児の段取りを身につけ、復帰後も分担を続けられるかどうかが、本当の意味での共育てにつながります。給付金の面では、2025年4月から出生後休業支援給付金が始まり、条件を満たせば産後パパ育休中の手取りが実質10割相当になる仕組みもあります。お金の不安を減らしたうえで、取得期間を夫婦で相談しましょう。

📌 数字の「50.9%」を職場で見せるのも一つの手

育休の相談をしづらいと感じたら、公的な調査の数字を根拠に話を切り出すと、感情的になりにくくなります。「男性の育休取得率は全国で5割を超えた」という事実は、上司や人事に相談する際の客観的な材料になります。

✅ 育休を考え始めたパパの3ステップ

①会社の就業規則で育休と産後パパ育休の制度を確認する②取得したい期間と時期を、妻と相談して決める③給付金の条件(雇用保険の加入期間など)と申請手続きの担当部署を、人事に早めに確認する、の順で進めましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 男性の育休取得率50.9%は、今回が過去最高ですか?

A. はい。厚生労働省の公表では、男性の取得率が50%を超えたのは初めてで、前回の40.5%から10.4ポイント上昇しました。ただし年度によって調査の対象期間や定義が異なる場合があるため、数字を比較する際は調査の説明を確認してください。

Q. 取得率5割ということは、育休を取ると職場で普通に受け入れられるのですか?

A. 全国平均では普及が進んでいますが、事業所ごとの差は大きいのが実情です。調査でも約4割の事業所が育休に関する取り組みを行っていないと答えています。勤務先の実績や制度を事前に確認しておくと安心です。

Q. 数日だけの取得でも取得率に含まれますか?

A. 取得率は「育休を開始した人(申し出た人を含む)」の割合で、取得期間の長さは問われません。短期間の取得も1人として数えられるため、取得率と実際の取得日数は分けて見る必要があります。

Q. パートナーが専業主婦(夫)でも育休は取れますか?

A. はい。育児・介護休業法では、配偶者が就労しているかどうかにかかわらず、雇用保険などの要件を満たす労働者が育休を取得できます。産後の心身の回復期は、配偶者の就業状況に関係なく、パパのサポートが重要です。

Q. 育休中のお金が不安です。何を確認すればいいですか?

A. 育児休業給付金と出生後休業支援給付金の対象になるか、申請に必要な雇用保険の加入期間を満たしているかを確認しましょう。支給額や時期は人事・労務の担当部署やハローワークで確認できます。

参考資料

コメント

タイトルとURLをコピーしました